ホルモン

序章~「ホルモン焼き」の「ホルモン」、その語源は?

焼肉屋さんで頂くホルモン。いいですね。大好きです。このホルモンは最近、今の形で定着していますが、元はまるで違った食べ物だったのです。

私が大阪を後にしてはや38年が経過しています。18歳で大阪を離れたので、現在の大阪の「ホルモン焼き」は違ったもの、つまり、現代風に変化しているかもしれません。
私の育った大阪はディープなオオサカ・ソウルの中心地でした。現在はなんと、日本最高の高さを誇るビルディングが建っています。驚きですね。

ホルモン焼きは「放る物(ほうるもの=捨てるもの、つまり生ゴミ)」を焼いた食べ物です。敢えて「食べ物」と申しました。なぜなら、料理とは言い辛いからです。

ホルモン

元祖ホルモンは、「ホルモン焼き」と言って、「お好み焼き」を「お好み」とは言わないのと同じです。何を焼くかといえば、食肉でない部位で「皮」と「骨」以外のすべてです。すべてとはすべてで、睾丸も脳みそもです。

大阪は「牛肉」とは言いません。「肉」です。豚肉は「ブタ」、鶏肉は「カシワ」です。だから、もし、大阪で「肉まん」があれば、その餡は牛肉でないとクレームです。
つまり。大阪に「肉まん」はほとんどありません。「豚まん」です。

で、ホルモン焼きに使う食肉でない部位は発祥を問いません。鳥の心臓やら、産卵前の卵、いわゆる「ヒモ」なども材料です。
肉の場合、枝肉のときに目印として、青色の塗料?で何やら書かれた部位も放り込まれていました。青色の食物は後にも先にもこれだけしか経験ありません。

焼き方は、鉄板です。そうです。大阪は鉄板文化圏です。これらの部位をいちいち串に刺して焼いたりしません。
一口大に切られたものを鉄板の上に投げられて、コテ(鉄板用フライ返しのこと)でガチャガチャ焼くだけです。味はとんかつソースです。
串に刺すのは上品な場合で、これでさえ、鉄板上でぶっ刺しているだけです。

時代は数十年経ち、私の知る現代の大阪では、焼肉屋さんのメニューは大抵、「ホルモン」のページと「カルビ」のページに分かれています。そして、ホルモンのコーナーには内臓肉が載せられています。

つまり、「ミノ」、「マメ(腎臓)」、「モツ(シマチョウ)」などは全部ホルモンです。「ホルモン」と言うメニューは存在しません。

一方、カルビは「筋肉」です。「バラ」、「ロース」などがこれです。したがって、「カルビ」もありません。グレーなのが「タン」です。どちらに属するのか私も知りません。

さて、この「ホルモン」の語源は「放るモノ」=「ホルモン」という説が広まりましたが、wikipediaの「ホルモン焼き」の項によると、

「佐々木道雄『焼肉の文化史』(明石書店)によれば、1920年代に精力を増強する料理のことをホルモン料理ということが流行したという。」

「もともとは日本系のモツ(内臓)焼きを意味していたホルモン焼きは戦後、時期は不明だが朝鮮系の内臓焼肉をホルモン料理と言うようになった。
さらに、1970年代にはホルモンを医学・生物学用語由来ではなくダジャレとして「放(ほお)るもん」から採られたという俗説が流布された。」

「ホルモンの語源は、内臓は食用の筋肉を取った後の捨てる部分なので、大阪弁で「捨てるもの」を意味する「放(ほ)るもん」から採られたという俗説(この説を採る代表例は、焼肉の「食道園」)をとる人々が現れ、
メディアなどを通して主張されるようになった。」

「2011年1月発行の普及啓発資料『畜産副生物の知識』において、特例社団法人日本食肉協議会は、「ホルモン」の語源について、下記のように説明をしている。

ホルモンの語源は、大阪弁の「捨てるものを意味する『放るもん』」説や、医学用語であるドイツ語のHormon(ホルモン)、英語のhormoneは、
動物体内の組織や器官の活動を調節する生理的物質の総称から、栄養豊富な内臓を食べると、活力がつくとして名付けられた説など諸説あります。
ホルモン料理の名称は戦前から存在し、戦前においては、内臓料理に限らず、スタミナ料理一般、例えば、スッポン料理などもホルモン料理と呼ばれていたことから、ホルモンは「放るもん」ではないと思われます。
明治維新のころの西洋医学(主にドイツ)の影響を受け、栄養豊富で活力がつくとして名付けられた説が主流であるものと思われます。」

引用:
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9B%E3%83%AB%E3%83%A2%E3%83%B3%E7%84%BC%E3%81%8D

・・・「放るモノ」焼き=「ホルモン」焼きというのは語源説は俗説なのですかね。「日本食肉協議会」様に言われたのでは、俗説として引っ込めるしかないといったところでしょうか。

焼肉屋さんでは、どうであれ「ホルモン」と言う実体は存在しますが、医学的に言う「ホルモン」となると実体が存在するのか・・・少しややこしい話になります。

天を仰ぐほどの悩み

「ホルモンとは何か?」という問いに答えるのは非常に難しい

鉱物であろうが生物であろうが、また、工業製品であっても、変形の原因となる作用が加わると、戻ろうとします。
ダイヤモンドのような硬い物体であっても、完璧に変形が起こらない物質はありません。

ある一定以上の作用を受けると、変形が戻らない、あるいは破壊が起こります。
ここで、変形しないよう、元の状態を維持し続けることを「恒常性」と呼んでいます。
医学や化学などでは、ギリシャ語の「ホメオスタシス」と呼ぶそうです。

生物にはほとんどホメオスタシスはありません。つまり、その作用により直ちに変性します。
しかし、そのままの状態となるのではなく、戻ろうとする作用が起こり、戻るのが普通です。生物は作用を受けて元に戻るまでの時間経過が存在します。
この経過時間は、大抵の場合、その生命に取って苦痛であることが多いです。

私たち、脊椎動物は、元に戻ろうとする役目を担っているのがホルモンです。ホルモンは食べることなど到底できない非常に微量で作用を起こします。

ホルモンとは何か?

天を仰ぐほどの悩み

と言うと「大阪ソウルフードのホルモン焼き」みたいにいろんなものがあり、「これがホルモンだ。」と一言では表現できません。
「ホルモンとは何か?」という問いに答えるのは非常に難しいのですが、無理に言えば、極めて微量で生体に反応を起こさせる物質、「生理活性物質」のことです。

ホルモンとは何か?と言っても、実は現在でも、全てのホルモン物質の特定分離は実現していません。
知られている物質、発見された物質に命名されており、中には人工合成に成功しているホルモンもあります。同じ作用をするホルモンでも生物種それぞれ特有であることが多いです。

また、ホルモンに似た分子構造を持つ物質は、それが生体に取り込まれると、本来ホルモンと同じ誤反射を起こすことが知られており、「環境ホルモン」と呼んで、有害物質とされています。

ホルモンは、前述通り、極めて微量で整体に確実に作用を起こさせます。
したがって、ホルモン分泌の制御も同様に極めて厳密、繊細に行われなくてはなりません。僅かな狂いが生体に異常反射を引き起こすのです。

ホルモンが分泌される身体の器官はその種類毎に決まっています。
こちらもまだ全てを学術的に把握されてはいません。これらのホルモンを分泌する器官を「内分泌器官」と呼びます。

ホルモンは身体を血液とともに循環器系で巡っています。ホルモンは栄養物質ではなく、「伝達物質」です。
従って、ホルモンが作用するには、特定ホルモン分子と結合するタンパク質が存在します、「ホルモン・レセプター(ホルモン受容体)」です。この結合が神経伝達の正体です。

悩まされる

「ストレッサー」がストレスを引き起こしている

身体にある内分泌器官でホルモンが分泌されますが、特に、脳内では「脳下垂体」が分泌するホルモンと「視床下部」が分泌するホルモンがあります。また、脳下垂体ホルモンは視床下部の制御も受けます。

脳下垂体は、脊椎動物の脊椎脳側先端にあって、脳にぶら下がったように接触、結合しています。
ここで分泌されるホルモンは9種類が分かっており、その役目も知られています。生命活動に直結した作用を司るホルモンが多いのが特徴です。生殖や成長などが関連しています。

視床下部で分泌されるホルモンは8種類が知られており、同様に作用も分かっています。ここで分泌されるホルモンは、行動、活動に関連するホルモンであることが特徴です。
また、脳下垂体ホルモンを調節するホルモンも含まれます。したがって、精神衛生上の問題となる原因は「視床下部」もしくは、「視床下部分泌ホルモン」に多いことが言えます。

「長時間、あるいは、強いストレスを受け、身体に疾患を呈した。」これはこれで、
十分通じる話し方ですが、正確には、「ストレッサーにより(を受け)ストレスが溜まり疾患を呈した。」が正しいです。

悩まされる

人工移動体や建造物などに故障、損傷があったとき、「金属疲労による劣化が原因」と言われることがよくあります。
この場合、長期間の振動が金属分子結合を緩め、分離に至ったと言うことです。

ここで、「振動」がストレッサーで、「金属分子結合の緩み」がストレスです。
この現象は、ストレスを物質機械に例え話として説明しているのではなく、ストレスの本質を説明しています。
私たちが悩むストレスは、その一部としての「生体ストレス」を言います。

物理機械学範疇のストレスと生体ストレスとの大きな違いは、「ストレス反応」があるかないかです。生体ストレスにはストレス反応があります。
物理機械学でのストレスでは、しばしば、「応力」をストレス反応とすることがありますが、誤りです。
物質が化学反応等、何らかの反応で「戻ろう」としているのではなく、単なる「弾性」による応力だからです。
化学反応は、さらにエネルギーを添加せねば「還元(元に戻る)」は起こりません。

生体ストレスのうち、「人」だけを取り上げます。

人にとってのストレッサーは4つに分類されています。

① 物理的ストレッサー
② 化学的ストレッサー
③ 生物的ストレッサー
④ 社会的ストレッサー(心理的ストレッサー)

です。

健康体であれば、ストレッサーに対し、可逆的ストレス反応が起こり、元に戻れます。

ストレスが限界

アドレナリンとは?~「アイムレディー」の状態へ

生体ストレスでも、金属疲労のように、ポキンと折れてしまうことがあります。
この状態のストレス反応は、放置状態であれば不可逆的ストレス反応です。
折れた金属を溶接でつなぐなどと同じように、復元するには、何らかの処置が必要です。

希に、時間を費やするだけで復元することもあります。自然回復(自然治癒)です。

しかしながら、どの場合でも、ストレッサーを除去せねば回復は難しいです。
一時的除去だけで回復し、健康体となって、応力を維持できるようになることもあるし、残念ながら、以前より短いストレッサーへの暴露で疾患状態となることもあります。

特に、この状態が強く、短く、強烈に起こる場合をPTSD(心的外傷後ストレス障害)と呼んで、特別な医療処置が必要となることもあります。
この場合、「ストレッサー(ストレス原因)」とは言わず「トラウマ要因」とされます。

ストレスが限界

人体のストレス反応で放出されるホルモンには、代表的なものが2つあり、両者とも化学式(分子式)は正確に判っており、人工合成が可能です。
その二つは、「アドレナリン」と「コルチゾール」です(ここではセロトニンについての記述は省きます。)

神経伝達物質(神経伝達ホルモン)で重要な働きとなるものは「カテコールアミン」と言う化学物質を基底とする神経伝達物質で、3種類あります。

① アドレナリン
② ノルアドレナリン
③ ドーパミン

です。

「アドレナリン」、名前はよくききますよね。それではアドレナリンとは一体どのようなものなのでしょうか?

アドレナリンとは、ノルアドレナリンとともに「闘争か逃走か(とうそうかとうそうか)物質」とも呼ばれています。この両ホルモンは「交感神経系」別名、「闘争か逃走か神経」を作動させる働きがあります。

ここで注意すべきことは、アドレナリンの働きの逆を行うホルモンがノルアドレナリンであることは「誤り」です。
加えて、交感神経の逆の神経系として副交感神経があるというのも完全な誤りです。したがって、これらの誤りから、交感神経によりアドレナリンが、副交感神経によりノルアドレナリンが分泌される。
と言うのも根拠のない誤解、若しくは誤りです。
あくまでもこのホルモンが神経を刺激(作用)するのであって、神経がホルモンを分泌させるのではありません。

アドレナリンには医学で使用する名前として「エピネフリン」と言う別の名称がついています。同じ物質です。

アドレナリンの働きは、基本的には身体全体を興奮状態にさせます。具体的には、筋力増加、血管拡張をはじめとする循環器系強化及び嗅覚以外の感覚器官の感度強化が起こります。「アイムレディー」の状態です。

逆に「アドレナリン」は、闘争に必要のない機能を低下させ、闘争に向けて身体への過剰な負荷を減らします。これについての具体的な状態は、

・消化器官の停止
・繁殖行為不全
・痛みの遮断

などです。

うつ

ノルアドレナリンとは?~ストレス性疾患に治療に利用されるホルモン

前項では「アドレナリン」についてお話しました。次は、「ノルアドレナリン」について詳しくお話しましょう。

「アドレナリン」と対で語られるノルアドレナリンとは一体どのような働きをするホルモンなのでしょうか?

正常なアドレナリンの分泌は、生きることに必要な状態ですが、過剰な分泌は、無意味以下の興奮が起こるので、身体は疾患状態となります。

アドレナリンはホルモンですから、極めて微量で身体は反応します。
特に、身体の致命的呼称、たとえば心肺停止やアナフィラキシー性不全症候群、喘息発作などの気管閉塞や血管梗塞などでは、強制的にそれらを拡張させるために緊急措置的薬剤として用いられることがあります。
また、液体麻酔剤に極微量を添加して使用することもあります。
薬剤としてのアドレナリンは他の興奮亢進物質とは禁忌(きんき)です。

これらのことから、アドレナリンを直接加えるための薬剤として、ストレス関連疾患に使用することはありません。

うつ

アドレナリンと同様にカテコールアミンを基底物質とするノルアドレナリンとは、ストレス性疾患に治療に利用されるホルモンです。
ノルアドレナリンを直接身体に投与する方法と、ノルアドレナリンを吸収する「ノルアドレナリン受容体」の働きを阻害し、結果的に、脳内に一定量のノルアドレナリンを維持する方法があります。

ノルアドレナリンの大きな作用は、グリコーゲンをエネルギーとして代謝する通常代謝に加え、脂肪からエネルギーを得る代謝を促進させ、筋肉のエネルギー源を確保供給するように働きます。

また、心筋細胞の収縮速度を早めます。特に、神経伝達物質の基幹的ホルモンであることから、ノルアドレナリンが増えることにより脳の活動が活発になります。

ノルアドレナリンが存在する場所はニューロン(神経細胞)先端のニューロンどうしの間隙であるシナプス(比喩表現です。)です。
通常、ここはノルアドレナリンに満たされていて、さらにニュ―ロン先端から分泌され、それを受容体が受け取り、結果一定量が存在しているのが健康な状態です。

「うつ病」に見られる、この場所のノルアドレナリン欠乏、減少を改善させるために、ノルアドレナリンの再取り込みを阻害する薬品が開発されました。

もう一つの神経伝達物質である「セレトニン(セロトニン)」の再取り込みを併せて阻害する薬品「SNRI(セレトニン、ノルアドレナリン再取り込み阻害物質)」は、
現在、うつ病治療に有効とされています。

この薬品が登場する前の最新薬とされたのは、「SSRI(セレトニン再取り込み阻害物質)」でした。
両者とも外国で「うつ病治療薬」として開発され、特にSSRIはNHKの報道番組で取り上げられた後、日本での承認治療薬となりました。

うつ病

「社会的ストレッサー(心理的ストレッサー)」が最も厄介な理由

ストレスの存在は「痛み」の存在理由に似ています。痛みは人の感じる苦しみの中で最も厳しいものでした。

近年、強いストレス反応は、痛み同等もしくはそれ以上の苦しみがあることが明らかになって、研究が進んでいます。

その苦しみだけが主たる症状の疾患が「うつ病」です。このことは後で触れます。

痛みの存在理由は、次のことと考えます。

・身体故障部位を認識させる。知らせる。
・故障部位の治癒に必要な時間を強制的に確保する。

この2つでしょうか。哲学的に捉えると、「生の諦めと死の覚悟」を促すのかもしれません。
いずれにしても苦痛であることに違いはありませんが、生きるために必要だから起こる生理現象であることは確かです。

うつ病

しかし、ヒトは、高次な思考が可能であることから、痛みは不要であることが多いです。ですから、痛みは、痛みの当初の本来目的を得たなら、取り除きたい生理現象です。
「必要であるがいらない。」と言う点から見るとストレスは正に痛みと同じです。
危急的環境を脱出するため、解除するために「変身」せねばならないとき、ストレスがこの変身のトリガを引くのです。
これがないと喰われて死んでしまいます。滑落して死んでしまうのです。この危険な状況を打破、消滅したなら、無用であるのがストレスです。

金属疲労による機械の破損のように、過剰なストレスにより、ストレス反応が消えない状態が「うつ病」であると思っています。
うつ病は現代医学でも、確たる定義、分類は完成していません。厄介です。本人も社会も非常に困る疾病です。

うつ病以外にも、身体に起こす疾病はあります。「○○炎」と称する疾病が多いです。
肘関節と二の腕の筋肉、腱の炎症である「テニス・エルボー」、ピアニストに多い「腱鞘炎」などが思いつきます。
どれも、蓄積された「物理的ストレッサー」が原因です。

治癒には、ストレッサーを除去した環境で過ごせばいいのですが、どれもプロであるが故の疾病で、「職業病」ですから厄介です。
しかしながら、リハビリテーション期間を作り、一旦、治癒させ、その後は再発防止策を取り入れて復帰するしかありません。
プロ野球選手が「故障者リスト入り」したり、外科手術で強制的回復させたり、プロフェッショナルには、「物理的ストレッサー」は生きる糧でありながらも、やはり必要なものです。

一般社会で取り除くことが困難なストレッサーは「社会的(心理的)ストレッサー」です。これを取り除く行為を実行することは、既存社会を破壊することにつながるからです。

ストレスを感じる女性

「ストレス解消」をするために休日はある

ここまでで、「ストレッサー」⇒「ストレス」⇒「ストレス反応」⇒「危険回避」と言うことを説明しました。

それは、「痛み」に似ていて、「身体への過剰刺激(怪我、圧迫など)」⇒「痛み」⇒「休息(治癒行為)」⇒「危険解除」でした。つまり、危険が去ればこの連鎖は消えることが正常な身体、健康体と言うことです。

ところが、最後の「危険」が終わっても、ストレス反応(痛み)が消えないことがあります。これが、いわゆる社会で一般的に言われている「ストレス」です。「ストレスが溜まってきている。」ともいいますね。

ストレスを感じる女性

そこで、この状態を消去するために、週末、休日が設けられているのです。休日に社会構成員としての私たちのすべきことは、更なるストレスの蓄積行為ではなく、「ストレス解消」なのです。

多くのストレスは、別のストレスに変更することにより、元のストレスの蓄積状態から脱出することができます。新たなストレスは、さらに別のストレスに変更し、これを順送りに続ければ、健康的な生活を送ることができます。

なぜなら、前述どおり、ストレスは「悪」ではないからです。消えないから問題であって、それが消えて別のストレス反応が起こればそれでいいわけです。

休日のスポーツは「物理的ストレッサー」です。このストレッサーには、「筋肉痛」や「筋肉疲労」といったストレス反応が起こるでしょう。
しかし、この別のストレスにより、「心理的ストレッサー」によるストレスは解消されるということです。「休日に英気を養う。」とはまさにこのことを言います。

ところが、個人的な用事を済ませることも社会人である以上、休日に行なう行動です。その中には、特別養護老人ホームに入所している父母への面会や、
自宅での介護を配偶者と交代し、その配偶者に休息を与えること。また、人ごみの遊園地など家族サービスの営みもあるでしょう。

それらの個人的、家庭的な用事が勤務中と同じ「心理的ストレッサー」ではない形で行われるなら問題ないのですが、残念ながら、多くの場合、同じストレッサーであるケースの方が多いようです。

現代社会の雰囲気、構造、仕組みが昔とは違っているので、その傾向は増すばかりです。

このような休日を過ごして、ウイークデーに入ると、「心理的ストレッサー」から開放されることなく、日々が流れることになるでしょう。

「ポキン」と折れる危険が高まる傾向にあるのが、現代社会と言えます。

現在、生涯中にうつ病に罹患するであろう人数は7人に1人と考えられています。

頭が…

うつ病とは?~いまだ曖昧な「うつ病」の定義

ストレスと直結した現代社会の大問題として「うつ病」があります。包帯もギプスも見えなければ点滴もありません。しかし生命に危険がおよぶ病、それが「うつ病」です。
「うつ病」は確かに存在する病気ですが、いまだに定義が曖昧です。うつ病とは実際、いったいどのような病気なのでしょうか?

頭が…

「うつ病とは何か?」ということについて、ここでは経験者(私です)談とネットの書き込み、医療等社会背景などをお話します。

うつ病患者本人は、「死」が非常に身近にあるほど危険的な苦痛を感じています。
どれだけ苦しいかというと「死と引き換えるほど」苦しいのです。この苦しみがさらに悲惨なのは、本人以外は理解できないことに加え、「否定的反応」さえ明白(あからさま)にあることです。

今すぐにでも見ることのできるネットへの書き込みの一部例を示します。

「「うつ」っていいよね。働かないでいいし。・・・云々」

「新卒者の就職もままならないと言うのに、ここには、見たことない、在籍社員がいるんだってよ。」

「うつ病で休職中だからリストラ対象にできないんだ。」

「・・クビにはできないんだ。厄介だ・・云々」

これが現状です。この発言者に対し一体誰が責めることができるでしょうか。
これはうつ病患者を揶揄した発言ではなく、本音なのです。つまり、社会問題です。この状況が蔓延すると社会全体が「うつ社会」化してしまいます。

うつ病が社会にもたらす経済損失の統計や統計分析結果は日本の物は存在しません。
アメリカ合衆国が大雑把な概算を出したことがあります。アメリカ合衆国だけで年間5兆円と考えられています。
この損失はどのようにして生まれるかというと、4分の1ほどがうつ病関連医療援助費用です。
全体の半分以上は、その患者が罹患していることによる生産能力低下と、その患者に関連した事柄により起こる生産性非効率などの損失です。

うつ病分布世界地図なるものが存在しますが、ほとんど根拠の薄いものです。その理由が、そもそも、うつ病の実態を示しているのです。

つまり、未だ、「うつ病とは?」の正確に示せる定義根拠が定まらないからです。

世界先進国で見れば、日本はうつ病患者は少ない国です。統計上もっとも悲惨な数字を出しているのは、世界で一番学力が高いとされている「北欧」です。

うつ病は今や大損失を生み出している地球規模の問題ですから、社会全体をもってして、これに向かわねばなりません。
そのためには、まずは、「うつ病とは」に答える「うつ病の定義」を立てねば進めることができません。
それが科学的か否かも重要ですが、とにかく、定義して、ことにあたらねばなりません。後で、科学的裏付けが加えられたら、定義を変更すればいいだけのことです。

現在、世界各国の保健関係機関は「DSM」と「ICD」と言う基準で「うつ病とは」を定義しようと動いています。

看護師

うつ病の基準とは?~どちらにも信頼性の担保がないという実態

うつ病の定義とされるであろう基準は二つあります。長い名称です。

アメリカ精神病医学協会による「精神障害の診断と統計マニュアル(DSM)」のうつエピソードカラムの記載基準。

もう一方はWHO(世界保健機関)策定の「世界保健機関による疾病及び関連保健問題の国際統計分類(ICD)」のカテゴリー「うつ病」です。

看護師

既にご想像どおり、解剖学的病理所見、化学物質、寄生、感染病原生物等の「数値」は存在しません。うつ病は知ってのとおり、劇的な身体外的他覚症状はありません。
一部、発熱、高血圧などのバイタルファクターに健康域外の数字を示すことはあります。
また、下痢、胃痛、頭痛などを伴う場合もありますが、こちらの多くは自覚症状です。

基準は、極言すれば、精神科医師による問診と観察によるチェックリストの「レ点」の数だけです。
また、日本では、診断結果、診断書に記載される病名は「うつ病」を使用することは少なくなり「気分障害のうつ状態」とされます。いずれにしましても患者が受ける医療サービスに差異があるわけではありません。

紹介した、二つの基準は、宿命的に「信頼性への疑い」から脱することはできません。

WHOの方は著しく多岐に渡る疾患の基準の一部に「うつ病」カテゴリーがあるだけで著しくアバウトです。

アメリカの方は、幾度も改正されており、疫学的根拠に限りなく近づこうとしていることは認められますが、大きな問題があります。
それは、この基準書に「著作権」が存在することです。

これは、例えば、日本政府なり、国家公的機関がこれの基準を公的根拠とすると、誰がその著作使用料を負担するのか。と言ったことも起こりえます。
医療機関毎の財産として(僅かな額ですが)運用するのであれば、診断による「公開」が起こり、ライセンスの問題が払拭できません。

また、日本の公的医療負担に「著作料」は含まれません。
僅かな額だから患者負担でよいではないか。となりますが、日本に限って言えば、一部の自治体を除いて、全医療費の70%を国が負担し、残りを自治体が負担することになっています。
著作料の範疇ではない「診断書」の発行手数料は、医療行為ではないので、本人が負担し、自治体知事に申請することになっていますので、診断書とアメリカへの著作料とは無関係に考えねばなりません。

ちなみにアメリカ精神病医学協会が毎年受け取っている著作料は5億円以上です。

近年、MRI(核磁気共鳴断面画像撮影)による診断の可能性について研究されています。

抗うつ薬

うつ病の治療について~抗うつ薬と対処療法的薬剤投与

うつ病患者の脳内で起こっている化学的状態は概ね解っているとされ、それに基づき、よく効く医薬品が製造、使用されています。

脳内伝達物質であるセロトニン(セレトニン)、ノルアドレナリンが欠乏、あるいは少なくなっている。もしくは、働きが悪くなっていると考えられています。
これを解決することが、抗うつ薬の原理目的です。

また、患者の脳側部にある「海馬」に萎縮が見られるとの所見も報告されています。

医薬品による治療は、幾種かの薬品が開発され古い順に、「三環系抗うつ薬」、「四環系抗うつ薬」、
「SSRI」、「SNRI」があり、最近、それらのハイブリッドも登場しています。

ここで注意を要することは、新しいほど効果が高いとは限らないことです。
もちろん、新しいほど、欠点や副作用などが改善されてはいますが、
その影響は著しく個人差がありますので、どの患者にも最新の薬品が最適であるとは言えないことです。

抗うつ薬

現代では、古いタイプとされる薬品名「アモキサン」は今でも患者によっては、主剤として用いられるケースが多いです。
これらの抗うつ薬は、うつ病そのものを治療しようとして投与するので、本質の苦しみが投与後直ちに消えるわけではありません。長時間を必要とします。

そこで、精神科医師は、現状の苦痛を和らげるため、対処療法的薬剤投与も並行して行なうのが通常です。
不眠に苦しんでいるのであれば適量の眠剤や、急激的な気分障害(強烈な不安感、過呼吸発作など)時の鎮静のためのマイナートランキライザー(ベッド安静でない患者に使用できる精神安定剤)などを頓服します。

うつ病患者の多くは「寛解期(かんかいき)」と言う状態を経験します。
この言葉は「白血病」などで使用されていた言葉です。現在では精神科医療機関は、うつ病患者を対象にこの言葉を使用しないことにしているそうです。
しかし、この状態があることは確かです。

これは、闘病中、症状が消えるか、著しく軽減する短い(数日から数週間程度)期間があります。
久しぶりに爽快な気分であるため、本人は嬉しいのですが、治癒に至っていません。
自殺できるパワーが復活していることから非常に危険な状態であるともいえます。実際は治癒していないことと、危険であることから使用されなくなりつつある言葉です。

うつ病は最悪時期(アメリカ合衆国の統計による世界全体での)では17%が自殺したとありました。
疾病としての致死率は非常に高い病気だったのです。現在は治療の効果により、激減しました。10万分の60弱と推測されていますが、分母が著しく不確かな病気ですから正確ではありません。

日本には「自立支援医療制度」があり、ストレスで折れた心を修復するケアが整っています。精神科、心療内科の敷居も高くありません。

うつ病患者が一番辛いのは、「孤独」です。励ましのタブーは古いです。励ましても動きませんから、ほとんど問題ありません。
それより、声をかけない事の方が危険です。うつ病患者には声をかけてあげましょう。
<体験者談/O.Y>