ストレスを感じる女性

「ストレス解消」をするために休日はある

ここまでで、「ストレッサー」⇒「ストレス」⇒「ストレス反応」⇒「危険回避」と言うことを説明しました。

それは、「痛み」に似ていて、「身体への過剰刺激(怪我、圧迫など)」⇒「痛み」⇒「休息(治癒行為)」⇒「危険解除」でした。つまり、危険が去ればこの連鎖は消えることが正常な身体、健康体と言うことです。

ところが、最後の「危険」が終わっても、ストレス反応(痛み)が消えないことがあります。これが、いわゆる社会で一般的に言われている「ストレス」です。「ストレスが溜まってきている。」ともいいますね。

ストレスを感じる女性

そこで、この状態を消去するために、週末、休日が設けられているのです。休日に社会構成員としての私たちのすべきことは、更なるストレスの蓄積行為ではなく、「ストレス解消」なのです。

多くのストレスは、別のストレスに変更することにより、元のストレスの蓄積状態から脱出することができます。新たなストレスは、さらに別のストレスに変更し、これを順送りに続ければ、健康的な生活を送ることができます。

なぜなら、前述どおり、ストレスは「悪」ではないからです。消えないから問題であって、それが消えて別のストレス反応が起こればそれでいいわけです。

休日のスポーツは「物理的ストレッサー」です。このストレッサーには、「筋肉痛」や「筋肉疲労」といったストレス反応が起こるでしょう。
しかし、この別のストレスにより、「心理的ストレッサー」によるストレスは解消されるということです。「休日に英気を養う。」とはまさにこのことを言います。

ところが、個人的な用事を済ませることも社会人である以上、休日に行なう行動です。その中には、特別養護老人ホームに入所している父母への面会や、
自宅での介護を配偶者と交代し、その配偶者に休息を与えること。また、人ごみの遊園地など家族サービスの営みもあるでしょう。

それらの個人的、家庭的な用事が勤務中と同じ「心理的ストレッサー」ではない形で行われるなら問題ないのですが、残念ながら、多くの場合、同じストレッサーであるケースの方が多いようです。

現代社会の雰囲気、構造、仕組みが昔とは違っているので、その傾向は増すばかりです。

このような休日を過ごして、ウイークデーに入ると、「心理的ストレッサー」から開放されることなく、日々が流れることになるでしょう。

「ポキン」と折れる危険が高まる傾向にあるのが、現代社会と言えます。

現在、生涯中にうつ病に罹患するであろう人数は7人に1人と考えられています。

頭が…

うつ病とは?~いまだ曖昧な「うつ病」の定義

ストレスと直結した現代社会の大問題として「うつ病」があります。包帯もギプスも見えなければ点滴もありません。しかし生命に危険がおよぶ病、それが「うつ病」です。
「うつ病」は確かに存在する病気ですが、いまだに定義が曖昧です。うつ病とは実際、いったいどのような病気なのでしょうか?

頭が…

「うつ病とは何か?」ということについて、ここでは経験者(私です)談とネットの書き込み、医療等社会背景などをお話します。

うつ病患者本人は、「死」が非常に身近にあるほど危険的な苦痛を感じています。
どれだけ苦しいかというと「死と引き換えるほど」苦しいのです。この苦しみがさらに悲惨なのは、本人以外は理解できないことに加え、「否定的反応」さえ明白(あからさま)にあることです。

今すぐにでも見ることのできるネットへの書き込みの一部例を示します。

「「うつ」っていいよね。働かないでいいし。・・・云々」

「新卒者の就職もままならないと言うのに、ここには、見たことない、在籍社員がいるんだってよ。」

「うつ病で休職中だからリストラ対象にできないんだ。」

「・・クビにはできないんだ。厄介だ・・云々」

これが現状です。この発言者に対し一体誰が責めることができるでしょうか。
これはうつ病患者を揶揄した発言ではなく、本音なのです。つまり、社会問題です。この状況が蔓延すると社会全体が「うつ社会」化してしまいます。

うつ病が社会にもたらす経済損失の統計や統計分析結果は日本の物は存在しません。
アメリカ合衆国が大雑把な概算を出したことがあります。アメリカ合衆国だけで年間5兆円と考えられています。
この損失はどのようにして生まれるかというと、4分の1ほどがうつ病関連医療援助費用です。
全体の半分以上は、その患者が罹患していることによる生産能力低下と、その患者に関連した事柄により起こる生産性非効率などの損失です。

うつ病分布世界地図なるものが存在しますが、ほとんど根拠の薄いものです。その理由が、そもそも、うつ病の実態を示しているのです。

つまり、未だ、「うつ病とは?」の正確に示せる定義根拠が定まらないからです。

世界先進国で見れば、日本はうつ病患者は少ない国です。統計上もっとも悲惨な数字を出しているのは、世界で一番学力が高いとされている「北欧」です。

うつ病は今や大損失を生み出している地球規模の問題ですから、社会全体をもってして、これに向かわねばなりません。
そのためには、まずは、「うつ病とは」に答える「うつ病の定義」を立てねば進めることができません。
それが科学的か否かも重要ですが、とにかく、定義して、ことにあたらねばなりません。後で、科学的裏付けが加えられたら、定義を変更すればいいだけのことです。

現在、世界各国の保健関係機関は「DSM」と「ICD」と言う基準で「うつ病とは」を定義しようと動いています。

看護師

うつ病の基準とは?~どちらにも信頼性の担保がないという実態

うつ病の定義とされるであろう基準は二つあります。長い名称です。

アメリカ精神病医学協会による「精神障害の診断と統計マニュアル(DSM)」のうつエピソードカラムの記載基準。

もう一方はWHO(世界保健機関)策定の「世界保健機関による疾病及び関連保健問題の国際統計分類(ICD)」のカテゴリー「うつ病」です。

看護師

既にご想像どおり、解剖学的病理所見、化学物質、寄生、感染病原生物等の「数値」は存在しません。うつ病は知ってのとおり、劇的な身体外的他覚症状はありません。
一部、発熱、高血圧などのバイタルファクターに健康域外の数字を示すことはあります。
また、下痢、胃痛、頭痛などを伴う場合もありますが、こちらの多くは自覚症状です。

基準は、極言すれば、精神科医師による問診と観察によるチェックリストの「レ点」の数だけです。
また、日本では、診断結果、診断書に記載される病名は「うつ病」を使用することは少なくなり「気分障害のうつ状態」とされます。いずれにしましても患者が受ける医療サービスに差異があるわけではありません。

紹介した、二つの基準は、宿命的に「信頼性への疑い」から脱することはできません。

WHOの方は著しく多岐に渡る疾患の基準の一部に「うつ病」カテゴリーがあるだけで著しくアバウトです。

アメリカの方は、幾度も改正されており、疫学的根拠に限りなく近づこうとしていることは認められますが、大きな問題があります。
それは、この基準書に「著作権」が存在することです。

これは、例えば、日本政府なり、国家公的機関がこれの基準を公的根拠とすると、誰がその著作使用料を負担するのか。と言ったことも起こりえます。
医療機関毎の財産として(僅かな額ですが)運用するのであれば、診断による「公開」が起こり、ライセンスの問題が払拭できません。

また、日本の公的医療負担に「著作料」は含まれません。
僅かな額だから患者負担でよいではないか。となりますが、日本に限って言えば、一部の自治体を除いて、全医療費の70%を国が負担し、残りを自治体が負担することになっています。
著作料の範疇ではない「診断書」の発行手数料は、医療行為ではないので、本人が負担し、自治体知事に申請することになっていますので、診断書とアメリカへの著作料とは無関係に考えねばなりません。

ちなみにアメリカ精神病医学協会が毎年受け取っている著作料は5億円以上です。

近年、MRI(核磁気共鳴断面画像撮影)による診断の可能性について研究されています。

抗うつ薬

うつ病の治療について~抗うつ薬と対処療法的薬剤投与

うつ病患者の脳内で起こっている化学的状態は概ね解っているとされ、それに基づき、よく効く医薬品が製造、使用されています。

脳内伝達物質であるセロトニン(セレトニン)、ノルアドレナリンが欠乏、あるいは少なくなっている。もしくは、働きが悪くなっていると考えられています。
これを解決することが、抗うつ薬の原理目的です。

また、患者の脳側部にある「海馬」に萎縮が見られるとの所見も報告されています。

医薬品による治療は、幾種かの薬品が開発され古い順に、「三環系抗うつ薬」、「四環系抗うつ薬」、
「SSRI」、「SNRI」があり、最近、それらのハイブリッドも登場しています。

ここで注意を要することは、新しいほど効果が高いとは限らないことです。
もちろん、新しいほど、欠点や副作用などが改善されてはいますが、
その影響は著しく個人差がありますので、どの患者にも最新の薬品が最適であるとは言えないことです。

抗うつ薬

現代では、古いタイプとされる薬品名「アモキサン」は今でも患者によっては、主剤として用いられるケースが多いです。
これらの抗うつ薬は、うつ病そのものを治療しようとして投与するので、本質の苦しみが投与後直ちに消えるわけではありません。長時間を必要とします。

そこで、精神科医師は、現状の苦痛を和らげるため、対処療法的薬剤投与も並行して行なうのが通常です。
不眠に苦しんでいるのであれば適量の眠剤や、急激的な気分障害(強烈な不安感、過呼吸発作など)時の鎮静のためのマイナートランキライザー(ベッド安静でない患者に使用できる精神安定剤)などを頓服します。

うつ病患者の多くは「寛解期(かんかいき)」と言う状態を経験します。
この言葉は「白血病」などで使用されていた言葉です。現在では精神科医療機関は、うつ病患者を対象にこの言葉を使用しないことにしているそうです。
しかし、この状態があることは確かです。

これは、闘病中、症状が消えるか、著しく軽減する短い(数日から数週間程度)期間があります。
久しぶりに爽快な気分であるため、本人は嬉しいのですが、治癒に至っていません。
自殺できるパワーが復活していることから非常に危険な状態であるともいえます。実際は治癒していないことと、危険であることから使用されなくなりつつある言葉です。

うつ病は最悪時期(アメリカ合衆国の統計による世界全体での)では17%が自殺したとありました。
疾病としての致死率は非常に高い病気だったのです。現在は治療の効果により、激減しました。10万分の60弱と推測されていますが、分母が著しく不確かな病気ですから正確ではありません。

日本には「自立支援医療制度」があり、ストレスで折れた心を修復するケアが整っています。精神科、心療内科の敷居も高くありません。

うつ病患者が一番辛いのは、「孤独」です。励ましのタブーは古いです。励ましても動きませんから、ほとんど問題ありません。
それより、声をかけない事の方が危険です。うつ病患者には声をかけてあげましょう。
<体験者談/O.Y>