ホルモン

序章~「ホルモン焼き」の「ホルモン」、その語源は?

焼肉屋さんで頂くホルモン。いいですね。大好きです。このホルモンは最近、今の形で定着していますが、元はまるで違った食べ物だったのです。

私が大阪を後にしてはや38年が経過しています。18歳で大阪を離れたので、現在の大阪の「ホルモン焼き」は違ったもの、つまり、現代風に変化しているかもしれません。
私の育った大阪はディープなオオサカ・ソウルの中心地でした。現在はなんと、日本最高の高さを誇るビルディングが建っています。驚きですね。

ホルモン焼きは「放る物(ほうるもの=捨てるもの、つまり生ゴミ)」を焼いた食べ物です。敢えて「食べ物」と申しました。なぜなら、料理とは言い辛いからです。

ホルモン

元祖ホルモンは、「ホルモン焼き」と言って、「お好み焼き」を「お好み」とは言わないのと同じです。何を焼くかといえば、食肉でない部位で「皮」と「骨」以外のすべてです。すべてとはすべてで、睾丸も脳みそもです。

大阪は「牛肉」とは言いません。「肉」です。豚肉は「ブタ」、鶏肉は「カシワ」です。だから、もし、大阪で「肉まん」があれば、その餡は牛肉でないとクレームです。
つまり。大阪に「肉まん」はほとんどありません。「豚まん」です。

で、ホルモン焼きに使う食肉でない部位は発祥を問いません。鳥の心臓やら、産卵前の卵、いわゆる「ヒモ」なども材料です。
肉の場合、枝肉のときに目印として、青色の塗料?で何やら書かれた部位も放り込まれていました。青色の食物は後にも先にもこれだけしか経験ありません。

焼き方は、鉄板です。そうです。大阪は鉄板文化圏です。これらの部位をいちいち串に刺して焼いたりしません。
一口大に切られたものを鉄板の上に投げられて、コテ(鉄板用フライ返しのこと)でガチャガチャ焼くだけです。味はとんかつソースです。
串に刺すのは上品な場合で、これでさえ、鉄板上でぶっ刺しているだけです。

時代は数十年経ち、私の知る現代の大阪では、焼肉屋さんのメニューは大抵、「ホルモン」のページと「カルビ」のページに分かれています。そして、ホルモンのコーナーには内臓肉が載せられています。

つまり、「ミノ」、「マメ(腎臓)」、「モツ(シマチョウ)」などは全部ホルモンです。「ホルモン」と言うメニューは存在しません。

一方、カルビは「筋肉」です。「バラ」、「ロース」などがこれです。したがって、「カルビ」もありません。グレーなのが「タン」です。どちらに属するのか私も知りません。

さて、この「ホルモン」の語源は「放るモノ」=「ホルモン」という説が広まりましたが、wikipediaの「ホルモン焼き」の項によると、

「佐々木道雄『焼肉の文化史』(明石書店)によれば、1920年代に精力を増強する料理のことをホルモン料理ということが流行したという。」

「もともとは日本系のモツ(内臓)焼きを意味していたホルモン焼きは戦後、時期は不明だが朝鮮系の内臓焼肉をホルモン料理と言うようになった。
さらに、1970年代にはホルモンを医学・生物学用語由来ではなくダジャレとして「放(ほお)るもん」から採られたという俗説が流布された。」

「ホルモンの語源は、内臓は食用の筋肉を取った後の捨てる部分なので、大阪弁で「捨てるもの」を意味する「放(ほ)るもん」から採られたという俗説(この説を採る代表例は、焼肉の「食道園」)をとる人々が現れ、
メディアなどを通して主張されるようになった。」

「2011年1月発行の普及啓発資料『畜産副生物の知識』において、特例社団法人日本食肉協議会は、「ホルモン」の語源について、下記のように説明をしている。

ホルモンの語源は、大阪弁の「捨てるものを意味する『放るもん』」説や、医学用語であるドイツ語のHormon(ホルモン)、英語のhormoneは、
動物体内の組織や器官の活動を調節する生理的物質の総称から、栄養豊富な内臓を食べると、活力がつくとして名付けられた説など諸説あります。
ホルモン料理の名称は戦前から存在し、戦前においては、内臓料理に限らず、スタミナ料理一般、例えば、スッポン料理などもホルモン料理と呼ばれていたことから、ホルモンは「放るもん」ではないと思われます。
明治維新のころの西洋医学(主にドイツ)の影響を受け、栄養豊富で活力がつくとして名付けられた説が主流であるものと思われます。」

引用:
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9B%E3%83%AB%E3%83%A2%E3%83%B3%E7%84%BC%E3%81%8D

・・・「放るモノ」焼き=「ホルモン」焼きというのは語源説は俗説なのですかね。「日本食肉協議会」様に言われたのでは、俗説として引っ込めるしかないといったところでしょうか。

焼肉屋さんでは、どうであれ「ホルモン」と言う実体は存在しますが、医学的に言う「ホルモン」となると実体が存在するのか・・・少しややこしい話になります。

天を仰ぐほどの悩み

「ホルモンとは何か?」という問いに答えるのは非常に難しい

鉱物であろうが生物であろうが、また、工業製品であっても、変形の原因となる作用が加わると、戻ろうとします。
ダイヤモンドのような硬い物体であっても、完璧に変形が起こらない物質はありません。

ある一定以上の作用を受けると、変形が戻らない、あるいは破壊が起こります。
ここで、変形しないよう、元の状態を維持し続けることを「恒常性」と呼んでいます。
医学や化学などでは、ギリシャ語の「ホメオスタシス」と呼ぶそうです。

生物にはほとんどホメオスタシスはありません。つまり、その作用により直ちに変性します。
しかし、そのままの状態となるのではなく、戻ろうとする作用が起こり、戻るのが普通です。生物は作用を受けて元に戻るまでの時間経過が存在します。
この経過時間は、大抵の場合、その生命に取って苦痛であることが多いです。

私たち、脊椎動物は、元に戻ろうとする役目を担っているのがホルモンです。ホルモンは食べることなど到底できない非常に微量で作用を起こします。

ホルモンとは何か?

天を仰ぐほどの悩み

と言うと「大阪ソウルフードのホルモン焼き」みたいにいろんなものがあり、「これがホルモンだ。」と一言では表現できません。
「ホルモンとは何か?」という問いに答えるのは非常に難しいのですが、無理に言えば、極めて微量で生体に反応を起こさせる物質、「生理活性物質」のことです。

ホルモンとは何か?と言っても、実は現在でも、全てのホルモン物質の特定分離は実現していません。
知られている物質、発見された物質に命名されており、中には人工合成に成功しているホルモンもあります。同じ作用をするホルモンでも生物種それぞれ特有であることが多いです。

また、ホルモンに似た分子構造を持つ物質は、それが生体に取り込まれると、本来ホルモンと同じ誤反射を起こすことが知られており、「環境ホルモン」と呼んで、有害物質とされています。

ホルモンは、前述通り、極めて微量で整体に確実に作用を起こさせます。
したがって、ホルモン分泌の制御も同様に極めて厳密、繊細に行われなくてはなりません。僅かな狂いが生体に異常反射を引き起こすのです。

ホルモンが分泌される身体の器官はその種類毎に決まっています。
こちらもまだ全てを学術的に把握されてはいません。これらのホルモンを分泌する器官を「内分泌器官」と呼びます。

ホルモンは身体を血液とともに循環器系で巡っています。ホルモンは栄養物質ではなく、「伝達物質」です。
従って、ホルモンが作用するには、特定ホルモン分子と結合するタンパク質が存在します、「ホルモン・レセプター(ホルモン受容体)」です。この結合が神経伝達の正体です。