看護師

うつ病の基準とは?~どちらにも信頼性の担保がないという実態

うつ病の定義とされるであろう基準は二つあります。長い名称です。

アメリカ精神病医学協会による「精神障害の診断と統計マニュアル(DSM)」のうつエピソードカラムの記載基準。

もう一方はWHO(世界保健機関)策定の「世界保健機関による疾病及び関連保健問題の国際統計分類(ICD)」のカテゴリー「うつ病」です。

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既にご想像どおり、解剖学的病理所見、化学物質、寄生、感染病原生物等の「数値」は存在しません。うつ病は知ってのとおり、劇的な身体外的他覚症状はありません。
一部、発熱、高血圧などのバイタルファクターに健康域外の数字を示すことはあります。
また、下痢、胃痛、頭痛などを伴う場合もありますが、こちらの多くは自覚症状です。

基準は、極言すれば、精神科医師による問診と観察によるチェックリストの「レ点」の数だけです。
また、日本では、診断結果、診断書に記載される病名は「うつ病」を使用することは少なくなり「気分障害のうつ状態」とされます。いずれにしましても患者が受ける医療サービスに差異があるわけではありません。

紹介した、二つの基準は、宿命的に「信頼性への疑い」から脱することはできません。

WHOの方は著しく多岐に渡る疾患の基準の一部に「うつ病」カテゴリーがあるだけで著しくアバウトです。

アメリカの方は、幾度も改正されており、疫学的根拠に限りなく近づこうとしていることは認められますが、大きな問題があります。
それは、この基準書に「著作権」が存在することです。

これは、例えば、日本政府なり、国家公的機関がこれの基準を公的根拠とすると、誰がその著作使用料を負担するのか。と言ったことも起こりえます。
医療機関毎の財産として(僅かな額ですが)運用するのであれば、診断による「公開」が起こり、ライセンスの問題が払拭できません。

また、日本の公的医療負担に「著作料」は含まれません。
僅かな額だから患者負担でよいではないか。となりますが、日本に限って言えば、一部の自治体を除いて、全医療費の70%を国が負担し、残りを自治体が負担することになっています。
著作料の範疇ではない「診断書」の発行手数料は、医療行為ではないので、本人が負担し、自治体知事に申請することになっていますので、診断書とアメリカへの著作料とは無関係に考えねばなりません。

ちなみにアメリカ精神病医学協会が毎年受け取っている著作料は5億円以上です。

近年、MRI(核磁気共鳴断面画像撮影)による診断の可能性について研究されています。